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浜松北高地学部天文班 - スポンサーサイト
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平成19年度研究要旨
目次
 1.研究の動機
 
 2.2006年度冬バージョンの開発

   a.仮定

   b.データの収集

   c.明るさ解析プログラム

   d.明るさ自動解析プログラム

   e.データの相関と立式

   f.自動予測プログラムの開発

   g.反省・課題

 3.2007年度夏バージョンの開発
 
   a.研究の流れ

   b.自動記録装置の製作

   c.問題・改善

   d.データの収集

   e.雲量の計測

   f.月の光束比の計算

   g.収集したデータ

   h.データの相関

   i.相関に関する考察
     ?.時間
     ?.最後に雨が降った日からの時間
     ?.月の光束比
     ?.天候
     ?.風向
     ?.風速
     ?.気圧
     ?.気温
     ?.湿度
     ?.飽和水蒸気量
     ??.容積絶対湿度

   j.予測プログラムの開発

   k.反省・今後の課題

 4.2007年度秋バージョンの開発

   a.開発の流れ

   b.明るさ自動記録装置の改良

   c.自動気象データ収集プログラム
   
   d.収集したデータ

   e.等級との相関付け

   f.小型明るさ装置の製作

   h.湿度と光の散乱率の関係


 1. 研究の動機
 星の見やすさ、天体観測のしやすさは、日によって異なる。Yahoo! 天気情報には“星空指数”という予報がある。しかし、予報が地域ごと(県西部など)であったりと、実際には市内でもかなり異なる星の見やすさが大きな地域でくくられてしまっていたり、冬のほうがあきらかに天体観測はしやすいはずだが、夏でも指数100が予測されたりと、精度に疑問を感じることも多い。
 そこで、私たち静岡県立浜松北高地学部天文班は、この予報を、特に浜松北高における予報を自ら行おうと、2006年11月1日、浜松北高での天体観測のしやすさ、つまり夜空の明るさを予測するシステムを自分たちで作ることにした。
 私たちは今作っているこのシステムをAAOIFSと呼んでいる。AAOIFSとはAutomatic Astronomical Observation Index Forecasting System、自動天体観測指数予測システムの略である。
 このシステムの最終的な目標は、夜空の明るさに関するデータを自動で収集し、自動で天体観測のしやすさ予測式を更新し、自動で天体観測のしやすさを予測できるようになり、その予測をもとに星の観望に適している日を事前に見極め、より良い観望会ができるようになることである。

 2. 2006年度冬バージョンの開発
a.仮定
 地上から出た光は空気中で散乱されることによって、初めて空を明るくする。空気中で光が散乱するのは、光が空気中の水蒸気の水分子や、塵などにあたるためである。したがって地上から出る光の量が一定なら、夜空の明るさは空気中の水蒸気量などにより変化するはずである。我々はこの仮定を元に、温度、湿度などの気象条件と夜空の明るさを相関付けることにした。なお、地上から出る光ができるだけ一定になるように、観測は毎日同じ時間帯に行った。
b.データの収集
 気象要素と夜空の明るさを相関させる式を作るために、それぞれのデータを集めた。月齢が16~5かつ日没が5:30までの、11/8~11/25、12/7~12/25、1/6~1/24、2/4~2/14の最大で67日間に写真を18:30に撮影してデータを採ることにした。雨が降っている日は撮影しなかった(資料1)。
資料1-1
資料1-2
c.明るさ解析プログラム
 写真のままでは明るさの比較ができないので、写真から明るさを客観的に数値化することが必要である。写真の明るさをどう数値化するか考察するために、写真に明るさがどう分布しているかをヒストグラムを用いて表すプログラムを製作した。写真の明るさを抽出する部分ではドットごとに緑のカラーコードを調べ、カウンタのそのカラーコードの部分の数値を+1していく。そしてもっともカウンタの数値が大きくなったところをその写真の明るさとする。
この方法で明るさの解析するプログラムを無料プログラミング言語HSPを利用して製作した。
写真解析の考察
 製作した写真解析プログラムにより、撮影した写真を解析した。写真の見た目の明るさとヒストグラムの形、写真解析プログラムによる明るさ、頂点の数には次のような関係が見られた。
暗い夜空の写真
明るさ ・・・78
ヒストグラムの頂点の数 ・・・1
 暗い夜空の写真のとき、ヒストグラムの形はこのように頂点の部分が左側、つまり暗い側に偏る。解析プログラムによる明るさは60~155程度と低い値になる。ヒストグラムの頂点の数は1つである。
明るい夜空の写真
明るさ ・・・237
ヒストグラムの頂点の数 ・・・1
 明るい夜空の写真のとき、ヒストグラムの形は頂点の部分が右側、つまり明るい側に偏る。解析プログラムによる明るさは155~250程度と高い値になる。ヒストグラムの頂点の数は1つである。
明るすぎる夜空の写真
明るさ ・・・255
ヒストグラムの頂点の数 ・・・2
 明るすぎる夜空の写真のとき、ヒストグラムの形は右端が最高の形になる。解析プログラムによる明るさは255となる。ヒストグラムの頂点の数は雲が写りこんでいて複数ある場合がある。明るさが255というのは、実際にはそれ以上になった可能性があるので、今回データとして利用しないことにした。
部分的に雲が入った夜空の写真
明るさ ・・・122
ヒストグラムの頂点の数 ・・・3
 部分的に雲が入った夜空の写真のとき、ヒストグラムの形はこのように複数の頂点ができる。これは雲が無い部分の明るさと、雲がある部分の明るさが大きく異なり、それぞれの頂点が出たためであると考えられる。解析プログラムによる明るさは、複数ある頂点のうちもっとも高い部分となるが、これは雲の入り方が毎回異なるので、ほとんど同じタイミングで写真をとっても、解析プログラムによる明るさが異なる可能性があるので、今回データとして利用しないことにした。
d.明るさ自動解析プログラムの製作
 これらの考察に基づいた方法で多くの写真を効率よく解析するために、明るさ自動解析プログラムを製作した。今後解析しなくてはならない写真が増えても、はじめに写真を指定すれば自動で次々に明るさを解析し、最後にエクセルで開けるcsvファイルで書き出してくれるようにした。
収集したデータ
 これらの収集方法において収集したデータでを資料に示す(資料2)。飽和水蒸気量のグラフから求めた空気1m^3中の水蒸気量(以下容積絶対湿度)もデータに加えた。データが取れたのは22日間である。
資料2-1
資料2-2
資料2-3
e.データの相関と立式
 収集したデータが明るさとどう相関しているか以下の方法で検証し、気象予報から明るさを予測するために明るさと気象データの方程式を作る。 まず、データが数値でない天候と風向についてそれぞれの天候・風向のときの明るさの平均値を求め、それをそれぞれの天候・風向のデータの数値とする。
天候  快晴  晴れ  曇り
     111  197  188   
     113  133  252
      78      237
     122      133
      99      172
     114
     102
     162
      96
     107
平均  110.4  165  196.4

風向  西   東   南   北西
    111 197  252  113
    188
     78
    122
    237
     99
    114
    102
    133
    162
     96
    107
    172
    133
平均 132 197  252  113
 収集したデータと明るさの相関係数をそれぞれExcelの
CORREL関数を用いて算出する。
相関係数
 明るさと相関がありそうなデータは、天候、風向、飽和水蒸気量・乾球温度・湿球温度・容積絶対湿度だが、重回帰分析は説明変数同士が相関していてはいけないので、飽和水蒸気量・乾球温度・湿球温度・容積絶対湿度のうちどれか一つしか説明変数として使えない。他の3つ全てとよく相関している容積絶対湿度を代表して使うことにした。容積絶対湿度・天候・風向を説明変数、明るさを被説明変数として重回帰分析を行う。ちなみにX値1=x1=容積絶対湿度 X値2=x2=天候 X値3=x3=風向 であり、y=明るさ予測値 とおく。分析結果を資料に示す(資料3)。
資料3
 この解析結果より、明るさの近似式は
近似式
となる。
この式より以下のことがわかる。
• 容積絶対湿度が増える、すなわち気温が上がるか湿度が上がると夜空は明るくなる。
• 快晴のときより晴れのとき、晴れのときより曇りのときのほうが夜空は明るくなる。
• 風向が夜空の明るさに影響する。
 このとき近似式による明るさと、実際の明るさの相関係数は0.875421517となり、高い相関があると考えられる。
 また、誤差の平均は12.1%となった。
 このように、気象条件と明るさを相関付けた。
f.自動予測プログラムの開発
 この近似式を元に、インターネットから自動で気象予報データをダウンロードして常に最新の夜空の明るさ予報を表示、その予報をインターネットにアップロードするプログラムをHSPで製作した。文字コード変換は別のアプリケーションを製作し、サブルーチンのように利用した。アップロードにはファイルの更新があると自動でアップロードするフリーウェアを利用した。実行画面を資料に示す(資料4)。
資料4
g.反省・課題
 製作した後、以下の問題が浮上した。
• データ数が少なく、方程式の信憑性が低い。
• 同じ方程式で、春以降の気象に適用しようとすると、ほぼ毎日明るさ予測値が255になり、冬しか使えない。
• 夏、同じ方法でデータを取るには毎日8時過ぎまで学校に残らなくてはならない。
• 夏、雲がまったく入らないで写真が取れることが難しい。
• 実際は多少の雲があっても晴れ間があれば天体観測ができる。
• 日没後の決まった時間にしかデータが取れないので、時間による明るさの変化を検証できない。
 以上のような問題点を改善して、2007年度夏バージョンを開発していくことにした。
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